パリーグの覇者

大航海で有名な明の鄭和について、同時代人の袁忠徹は次のように述べている。

『古今識鑒』 巻8

身長九尺,腰大十圍,四岳峻而鼻小,法反此者極貴,眉目分明,耳白過面,齒如編貝,行如虎步,聲音洪亮…

身長180cm、腰まわり150cm、顔は方形、鼻は小さいが、貴相、眉目秀麗、耳は白くて長く、歯は貝の如く、歩く姿は虎の如く、声言は亮々、ということである(陳舜臣氏『中国傑物伝』による訳出)*1。付言するなら、「眉目分明」はクッキリした眉目でイケメンのパーツというべきだろう。「編貝」は白く整った歯並びを表し、「行如虎步」とは動作に野性的な力強さと俊敏さがあること、「聲音洪亮」とは声が朗々と響くことだろう。
これを現代人に例えるなら、ダルビッシュの眉目、小谷野の輪郭、ヒメネスの体躯、新庄の歯、稲葉の動き、多田野の声、が一個の人格に集約されたものといえよう。大耳手長とか碧眼紫髯すらかすんでしまう非凡さ、ひとり日ハム状態である。

まあ、日ハム乙ということ。

*1:なんで陳さんの本に拠ったかというと、身長が七尺になってるテキストがあるらしくて、テキスト選択の責任を回避したかったから。さすがに140cmということは無いと思うけど。というか明代の度量衡じたい錯綜してるらしくてよくわからん