王佐の才

2か月に1回のペースでしか更新しないブログに意味あるの?と我ながら思うが、跋文を思い付くまでは終わらない。江戸時代の儒者・伊藤仁斎の孔明論について。 『古学先生文集』巻6「読諸葛孔明伝」 或問曰,宋諸儒以諸葛孔明爲王佐之才,然乎。 曰,非也。孔…

魏延を除去せよ

久々に更新する気になった。魏延ファン涙目の本を発見した。書名が凄い。 『魏延の反骨を除去せよ』…

眠気覚ましの方法

●首にロープを掛けるhttp://d.hatena.ne.jp/chincho/20100203/1265208317 チョークスリーパーが極まると永久に寝てしまう諸刃の剣 ●項羽本紀を読む 明・王世貞 『読書後』 巻1 書項羽傳後 吾少時閲書至夜分而困欲寐,輒取項羽傳誦之,即灑然醒。以為非羽不能…

ゲームレビュー

今年最後のエントリ(予定)。久々にゲームを買った。 すでにネット上ではクソゲーと断じる手厳しい意見もある。また、「マップが一本道」とか「戦闘が単調」とか「グラフィックの進歩に頼り過ぎ」とか批判する余地もあるかもしれない。 しかし、僕がプレイし…

カラスコ

少し前にNHKでやってた話題を敷衍してみる。伊達政宗は師匠の虎哉宗乙から後唐の李克用の故事を学んだとされる。よく知られた話だがおおもとの原拠を確認しておくと 『旧五代史』唐書一 武皇本紀上 是時,武皇既收長安,軍勢甚雄,諸侯之師皆畏之.武皇一目…

もらいもので遊ぶ

廃棄処分になるはずだった中古のノートPCをもらった。 9年モノのDynaBook Satellite 2250 SA60C/4、モバセレ600Mhz・RAM64MB・Windows98SE入り。 メモリ増設・HDDからCFカードへの換装・Linux導入という中古パソコン復帰の常套手段をありあわせのものでやっ…

パリーグの覇者

大航海で有名な明の鄭和について、同時代人の袁忠徹は次のように述べている。 『古今識鑒』 巻8身長九尺,腰大十圍,四岳峻而鼻小,法反此者極貴,眉目分明,耳白過面,齒如編貝,行如虎步,聲音洪亮… 身長180cm、腰まわり150cm、顔は方形、鼻は小さいが、貴…

'06日米野球@大阪

ファイル整理で3年前の日米野球の画像が見つかった。 メジャーの試合前練習。ケージ左の背番号15は井口、その左は城島。 藤本と新井は同じチームになるとこの時から思ってました(佐藤藍子ふうに) ひ、日高は?日高は、う、打ったの? マリナーズのマスコット…

武将のイメージ

中国歴代正史にみえる「武将」の一般的なイメージについて。 『後漢書』 列伝12 杜茂伝 (郭)涼字公文,右北平人也.身長八尺,氣力壯猛,雖武將,然通經書,多智略,尤曉邊事,有名北方. 光武帝の部下・郭涼は武将ながら経書に通じ、智略多く、辺境の事情に…

Transformosa

台湾の募兵CM。そういえば台湾軍は徴兵制から志願制に漸次移行中だった

ソース下さい

三国志にまつわる日本のネット限定(多分)の噂を三題。その1:「毛沢東は『人民は阿斗になってはいけない』と言った」 「阿斗」が無知蒙昧の代名詞であるとして、毛沢東が上のように発言したという風聞がある。 しかし日中のgoogleで「毛沢東 阿斗 人民」だの…

『東漢演義』も凄い

明の謝詔による通俗小説『東漢演義』は後漢の初めから党錮の禁までを舞台とした物語であり、大半は光武帝・劉秀を主人公とした話である。以下は序盤のエピソード「厳光卦卜知真主」・「王莽科場選俊英」の名場面である。 前漢の末、外戚の王莽は孺子嬰を皇帝…

『項羽と劉邦−若き獅子たち』の元ネタ

『項羽と劉邦−若き獅子たち』が単行本化された際に書店に配布された販促用色紙 横山光輝氏の『若き獅子たち』は楚漢の興亡を描いた作品だが、虞美人の弟・虞子期*1の存在や商人に扮した鍾離昧が懐王の孫を探す場面、韓信の軍法など、『史記』・『漢書』を根…

四川

蜀漢が中原に進出できなかったことは、ネット上の三国志談義で盛んに論じられるトピックのひとつである。これは「○×すれば進出できた」の類のIF系シミュレーションの肴にされたり、劉備や孔明らが無能であることの根拠として挙げられ、ループ進行に寄与する…

ボンバイエ

アリグモ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%B0%E3%83%A2 アリそっくりのクモである。年に数回こいつに遭遇する。天井からツツ〜と糸を引いて降りてくる(この動作を見ないとクモだと気付くのは難しい)。捕食の対象を探す様子でもなしに…

読書感想文

夏休みといえば読書感想文。読書感想文といえば、明代の王世貞という人が古今の文章についての感想文の体裁を採った史論『読書後』を著している。という強引な前フリで今回は『読書後』「書鄧禹伝後」を読んでみる。 『読書後』巻2 書鄧禹傳後 鄧仲華有遠識…

2号機デビュー

中古パーツでサブPCを組んでみる。かき集めたパーツはマザボ ASUS A7V-M CPU Athlon 1.0Ghz RAM 256MB×2 グラボ RIVA TNT MVGA-NVTNTAL 電源 ATX、230Wネットとメールならこのスペックで十分。これを中古のAOpen G325に入れる。キューブケースが欲しかったの…

日食

http://www.media.saigaku.ac.jp/download/pdf/vol7/human/05_yuasa.pdf 『吾妻鏡』の日食記事についての興味深い論文をみつけた。『吾妻鏡』で錯簡の疑いがある箇所といえば野木宮合戦の前後あたりが有名だが、この論文では天文シミュレータによる日食の再…

馬援の末裔?

前エントリで、 同じ馬氏ならはるかにビッグネームである馬援の子孫でも名乗りたくなりそうなもんだと思うが、南方の攻略で功あった馬援は南方の民族には受けが悪かったのかも知れない。 と書いてみたが、張献忠と戦った明の将軍・秦良玉のダンナで四川の土…

俺を釣れる奴はあるか?!

馬岱についての取扱い注意情報2題。その1:馬岱の末裔が清代まで四川にいた?!馬岱の子孫を称する人達が四川の西南部で元・明・清の歴朝を通して土着民の長を務めたという。 『明史』巻311 列伝199 四川土司一 黎州安撫司 洪武八年省漢源縣,置黎州長官司,…

『三国演義』は凄い

清代に限定した以下のようなエピソードだけ切り取って見ても、数ある中国通俗小説の中でも『三国演義』は抜群だと思わざるを得ない。 順治7年(1650)刊・満州語版『三国演義』巻頭に収められたドルゴンの諭旨 此書可以忠臣、義賢、孝子、節婦之懿行為鑒,又…

中国縦断ウルトラ父老

楚の義帝は項羽によって郴州(現在の湖南省の南端)に遷都させられ、その途次に長江のほとりで項羽の追手に殺される。 『史記』高祖本紀 〔漢王〕至雒陽。新城三老董公遮說漢王以義帝死故。漢王聞之,袒而大哭。 項羽によって漢中に左遷された劉邦は東進して…

重いコンダーラ

ちゃぶ台が普及したきっかけは、大正デモクラシーの頃に社会主義者が家父長制を解体して家庭内の平等を実現するために「円卓に座って一家団欒を楽しもう」と提唱した事らしい。 ということは、星一徹がちゃぶ台を引っくり返した事は単なる乱暴ではなくて家父…

迷子の迷子の曹操さん

王粲『英雄記』は『三国志』裴松之注に散見されるが、『英雄記』中にあるとされる「曹操が赤壁戦の頃に雲夢大沢で霧に遭って迷った」という記事は裴松之の当時散佚していたか取るに足りないと判断されたか、ともかく裴注で引用されなかったために顧みられる…

序文

その時々の関心事をゆるゆると書く。